善の研究
東北や北海道には 凍裂(とうれつ)と言う言葉がある。 気温が概ねマイナス25℃を下回ると トドマツや スギの樹液が凍り 木が裂けることだ。 今朝の北海道は 中頓別町で 最低気温が マイナス30.1℃を記録した。
100年前の 明治44年(1911年)の今日 1月30日は 当時京都大学の教授であった 西田幾多郎(にしだきたろう)さんが 彼の代表作とも言うべき「善の研究」を 発刊した日だ。 日本での哲学と言うことで 清冽な 印象を与えた。
日本初の 独創的な哲学体系と言うことから 若いころの 私たちは 読めと 進められたものだが 厭々読んだので 良く理解できず 当時は お経を読んでいるようで チンプンカンプンだった。 反発して 道元の 2歳年上の弟子 懐奘(えじょう)が 書いた 正法眼蔵随聞記(しょうぼうげんぞうずいもんき)を 開いたものだ。
この本に 書かれていることは まず 真の実在とは何か を問い 次いで 人間は何をなすべきか に触れ さらに 善とは何か を定義付けたものと 言われている。
琵琶湖疏水に沿う 哲学の道は 歩いたが 西田哲学は 結局 判らずじまいだった。老境に達した今 善の求めるものは 愛 であると 解説している 意見を 理解することが出来た。 が 実践は 全く出来ていない。
西田幾多郎さんの 哲学は 結局 仏教の 大慈大悲 と言う普遍の愛と キリスト教の 汝の隣人を 愛せよ を 実践しなさい と説いているのでしょう。
若いころに 読まされた 岩波文庫の 本は 納戸の奥深くに 鎮座ましましている 筈だ。 探すのは面倒なので 写真を 載せることは出来ない。
西田哲学については 宗教的な見方に 偏っていると 批判している人もいる。 話は変わるが 私の 乏しい宗教知識は 仏教学者の 中村 元 さんの著書から 借用した 受け売りのものが多い。
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