おきな草

大寒の初日、寒さにめげず、約６千歩を歩いた。途中で寄った「あけぼの」と言うお菓子屋に、もう、次の季節の桜餅が並べられていた。

三時のおやつにと、早速、買って来た。年を越してはいるが、桜の、花と葉の匂いと味とが、心地よく鼻と舌を擽り、やがて来る春を、待ち望む気持ちを、楽しく育んだ。

ここ暫くの北国は、鉛色の低い空が、人々の心を重く押し潰す。が、反面、この空から、深々と溢れる真白い綿雪が、白皚皚の美しい水墨画を描き、多くの人々に、逞しく強い忍耐力をも与える。




　　　　　　　　　

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