2008年02月10日
老人の礼儀

余程、「人違いでした。御免なさい」と、別れようとしたが、相手が、コートの袖を掴み離さないので、暫くは「ほら、△△で、ご一緒させて頂いた○○です」の繰り返しだった。
やっと、分かって貰えたが、個人名より役職名で、呼ばれることで、この人は、未だ、社会的ステータスを捨てきれない人なのかと思った。私より5歳程年長だったので、もう、卒寿か、それに近い。
明日からは、相手に、私はボケた。と、思わせないために、まず、笑顔で目礼を送り、相手が気づき応答があってから、「○○です」と、名乗ることにしようと、決心。
人を騙すタヌキのようだが、もし、相手が、私を気付かなければ、「失礼しました」と、さりげなく、その場を去るのが、その相手を思い遣る老人の礼儀と観念したからだ。
Posted by 無陀仏 at 16:00│Comments(0)
│日記 エッセイ